梅雨と猛暑日が続く中、体も心も疲れが溜まってくる方も多いのではないでしょうか。
日本では、6月末頃に神社で一年の上半期で蓄積した穢れを浄化する「夏越の大祓(なごしのおおはらい)」があります。
本記事では、夏越しの大祓の一つである茅の輪(ちのわ)くぐりの詳細や、茅の輪くぐりの体験談をご紹介します。
本格的に夏を迎える前に、茅の輪くぐりでの夏バテ対策をしてみたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
茅の輪(ちのわ)くぐりとは

茅の輪くぐりとは、一般的に6月末に神社で行われる夏越の大祓の行事の一つです。
この時期になると、神社では境内や鳥居の下などに、茅(ちがや)で作られた大きな輪(茅の輪)が設置されることが多いです。
茅の輪をくぐることで、半年の間に溜まってしまった罪や穢れを祓って、残りの半年間の無病息災を祈願します。
茅(ちがや)はイネ科の植物であり、鋭い葉先や生命力の強さから古来より厄除けの力があるとされ、神聖なものとして扱われてきました。
本格的な夏を迎える前に、茅の輪をくぐることで心身ともにリフレッシュできるので、夏バテ対策にもなりそうです。
茅の輪は、神社によっては一か月ほど設置されていることもあるので、6月末ではなくても輪をくぐることができるケースもあります。
茅の輪(ちのわ)くぐりの由来
茅の輪くぐりの由来は、日本神話に基づいています。
スサノオノミコトが旅の途中で、蘇民将来(そみんしょうらい)と巨旦将来(こたんしょうらい)という兄弟に宿を求めます。
巨旦将来は裕福でしたが、スサノオノミコトのお願いを断ってしまいました。
一方、蘇民将来は貧しい境遇でしたが、快くスサノオノミコトをもてなしたのです。
すると、スサノオノミコトは、蘇民将来に茅の輪を渡し、腰につけていれば疫病から免れられると伝えました。
後に、疫病が流行しますが、蘇民将来の子孫だけが疫病から免れたという話から、茅の輪は厄払いや疫病除けの力があるとされてきました。
時代とともに、茅の輪は人がくぐることができるほど大きくなり、次第に茅の輪くぐりの行事が行われるようになったのです。
茅の輪くぐりの作法
茅の輪くぐりの作法は、一般的に八の字を描くように左回り・右回り・左回りと3度くぐります。
くぐる時は、「祓へ給ひ、清め給へ、守り給ひ、幸へ給へ(はらえたまい、きよめたまえ、 まもりたまい、さきわえたまえ)」と唱えます。
唱え詞は、「お祓いください、お清めください、お守りください、幸福をお与えください」と神様にお力添えをお願いする意味です。
しかし、神社によっては異なった唱え詞や作法である場合もあるため、現地の案内を確認してみましょう。
神社では、茅の輪の近くにくぐり方などの作法が書かれた看板などが設置されていることが多いです。
夏バテ対策に茅の輪くぐりを体験

ここからは、神戸市灘区にある敏馬(みぬめ)神社で、家族で茅の輪くぐりをした体験をご紹介します。
敏馬神社は、車の通りが多い道路に面した丘の上に鎮座している縁切りで有名な神社です。
大きな鳥居を車でくぐると、駐車場があるので車で行くのに便利な立地でした。
車を停めて階段を上ると大きな茅の輪が見えました。

茅の輪の横には、「茅の輪くぐり神事」と書かれたくぐり方の説明がありました。
説明のとおりに、正面より茅の輪をくぐって左へ、元に戻ってくぐって右へ、元に戻ってくぐって左へ行きました。
最後にもう一度正面よりくぐって、ご神前に行き参拝しました。

一緒に輪をくぐっていた子どもは、お祓いの意味はわかっていませんでしたが、楽しそうにグルグルとくぐっていました。
茅の輪をくぐって参拝した後は、清々しい気持ちになりました。
一年の半分を振り返ると自然といろいろなことが思い出されますが、一度リセットできたと思うと、夏バテせずに後半も頑張れそうな気持になりますね。
まとめ
今回の記事では、夏バテ対策に積もった疲れをデトックスしたい方に向けて、茅の輪くぐりの効果や由縁、くぐる時の作法、体験談についてご紹介しました。
茅の輪くぐりは、大きな茅の輪をくぐることで罪や穢れが落とされ、無病息災を祈願できます。
友人や家族と一緒に行くのも、みんなで厄祓いができておすすめです。
一年の後半へと入って行く前に、猛暑日を乗り切るためにも、ぜひ茅の輪くぐりで一度心身ともにリフレッシュしてみてくださいね。
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